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俳優が監督に転進したばかりの第一作目の映画って、その俳優の演技力とか声望にかかわらずみるべき秀作が多いような気がするんだけど、ベン・アフレックが監督した「ゴーン・ベイビー・ゴーン」、思った以上に重かった。
ゴーン・ベイビー・ゴーン -GONE BABY GONE-
http://www.movies.co.jp/gonebabygone/
Amazon.co.jp: ゴーン・ベイビー・ゴーン [DVD]: ベン・アフレック, ケイシー・アフレック, ミシェル・モナハン, モーガン・フリーマン, エド・ハリス, エイミー・ライアン: DVD
http://www.amazon.co.jp/dp/B001BO8HH2
子どもの未来は誰が決めるのか?
どんなにひどい親でもあっても、子どもは親のものか?
ひどい親からとりあげられた子どもは、大人になってそれを知ったら責めるだろうか?
という問いかけが詰まった作品。
サスペンスとしてよくできているし、人間もよく描かれている。
年末。
毎年行ってたサムイ島を久々にやめたら仕事がすごいことになってしまい、テント持って山も行けてない。
せめて長期休暇らしいことを少しはしようと、大量の積ん読リストの中から1日1冊本を読もうと決めた。
で、感想を書く。
ずっーっと積ん読してたトム・ディチロの「悪夢の撮影日誌―映画をサンダンスで売る方法教えます」を読んだ。
Amazon.co.jp: 悪夢の撮影日誌―映画をサンダンスで売る方法教えます: トム・ディチロ
http://www.amazon.co.jp/dp/4900728063/
トム・ディチロは映画監督で、
Tom DiCillo
http://www.imdb.com/name/nm0001139/
IMDbを見ると最近はTVドラマの監督なんかをしながら映画資金を稼いでいるんだろうと思う。
彼の映画「リビング・イン・オブリビオン/悪魔の撮影日誌」 はぼくにとっては忘れられない映画。今調べてみると94年あたりに公開されたらしいが、ぼくはこの映画を、まだ六本木ヒルズなんかなく、今よりずっと薄汚い印象のあった六本木の、当時西武がやってたレコード屋「WAVE」ビルの地下にあった映画館で、オールナイトで観たと思う。
あらすじは以下のサイトにある。
あらすじ リビング・イン・オブリビオン 悪夢の撮影日誌 - goo 映画
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD10579/story.html
当時トム・ディチロなんて映画監督は知らなかったと思うけど、深夜に観たのがよかったのかびっくりするほど面白い映画で、その後彼をウォッチするようになり、彼のデビュー作「ジョニー・スエード」を観たり、「リアル・ブロンド」までは追いかけた。それ以降彼の映画は日本では上映されていないと思う。
キャサリン・キーナーを好きになったのも彼の映画に出ていたからだ。
本には、インディーズ出身の映画監督が資金集めに四苦八苦しているさまや、映画界隈の人たちの二枚舌ぶりなどが笑える筆致で書いてある。スティーブ・ブシェミがいい人だということがわかるし、当時スターになろうとしていたブラッド・ピットが主演を断ってきた話など、やっぱりタイミングが大切なんだなぁと思える箇所もある。
映画もそうだったけど、この本に盛り込まれた逸話には、映画づくりのためにまとまった「弱小チーム」のまとまり感とあたたかさみたいなものが感じられてほほえましい。
映画「エド・ウッド」で、「プラン9 フロム・アウタースペース」の試写会場を出たエドのチームがオープンカーに乗って明るく未来をめざしていく感じと似ている。その未来は掌(たなごころ)サイズなんだけど。
映画「イン・トゥ・ザ・ワイルド」を観た。以下、感想。
映画『イントゥ・ザ・ワイルド』オフィシャルサイト
http://intothewild.jp/top.html
当然内容に言及しているので、観るつもりの人は気をつけて。
この映画の原作は、登山家でジャーナリストであるジョン・クラカワーが書いた「荒野へ(Into The Wild)」。アメリカではベストセラーになり、放浪の末にアラスカで死んだ若者クリストファー・マッカンドレス(Christopher McCandless)を英雄視する人々も多いとか。
Wikipediaにも項目がある。
なお、Wikipediaの以下のページには、彼の遺体と共に発見されたカメラ内に残っていた彼の最後の記念撮影風の写真がある。そういうのを見たくない人は注意。
Christopher McCandless - Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Christopher_McCandless
この映画を観ていてまず面食らったのは、クリスが旅するアメリカの風景、自然の存在感の大きさだ。映画なんだから視覚に訴えてくるのは当たり前だが、本を読んでわかったつもりになっていたクリスの旅について、より身体(からだ)レベルでわかったような気がする。彼は成績がよく、社会問題への関心も持ち、内省的な若者だったが、高校時代はクロスカントリー部のキャプテンを務めるなど身体能力も高かった。その彼が挑んだ場所はこういうところだったんだ、ということがよく実感できた。
クラカワーの「荒野へ」にもその記述はあるが、映画の方が大きく踏み込んでいる点として彼の両親の不和が挙げられる。で、皮相な見方をすればクリスの死は「両親に怒りを抱いた若者が家を飛び出し、無軌道な旅の末に招いた悲劇だ」といった感想も抱けてしまう。
でもそういう類型化をする前に、少しでもクリスについて調べてみるといいと思う。
映画では、アラスカでクリスがジャック・ロンドン、トルストイ、ソローを読みふけったこと、とくにソローの「ウォールデン(森の生活)」を読んでいたことや、パステルナークの「ドクトル・ ジバゴ」を読みどこにアンダーラインを引きどんな感想を書いていたかといった点にはほとんど描かれない。内面の描写が足りないのだ。
ラストシーン。クリスの最期の描き方はかなり強烈だ。息絶える瞬間までをリアルに、というより映画ならではの表現を総動員して恐怖を煽り立てる。えげつないと言ってもいい。このシーンに感情移入してしまうと、以後しばらく気分が落ち込むほどだ。
また映画では、彼が食用のアメリカホドイモと似た有毒植物を食べたために下痢をして衰弱し、悪態をつくシーンがあるが、これは彼の死後出てきた推測であって、まして彼がそのことに気づいていた証拠はない。つまりフィクション。
こういう演出が必要だったのか? と思う。「お父さんお母さんの言うことを聞かない悪い子はこうなります」という教訓映画のようじゃないか。
この映画は、5点満点中2.5点。
ついでに。
クラカワーが「荒野へ」の元となる記事を"Outside"誌に書いたのは1993年1月。検索してみたらウェブサイトに掲載されていた。
Into The Wild - The Story of Chris McCandless by Jon Krakauer | Outside Online
http://outside.away.com/outside/features/1993/1993_into_the_wild_1.html
この記事が世に出ると、編集部に大量の投書が届き、なかには「マッカンドレスを殺したのは彼の無知であり、それはアメリカ地質調査所の四分儀とボーイスカウトのマニュアルがあれば、正されたはずです。」といった非難も数多かった。
批判はまっとうなものだと思う。
彼は雪解けで増水した川を渡れず、足止めされたために餓死に至るのだが、数Km上流に歩けば渡河できる手動ゴンドラや食料が備蓄された避難小屋があることも知らなかった。まともな地図を持っていなかったから。
が、それでもクリス・マッカンドレス的な行動が支持される理由はあるし、わかる。
クラカワーは自分が「やみくもな情熱」に突き動かされていた若いころの体験を通じて、クリスの動機や心情について解釈を試みている。
なかでも、「青春期には死は(...)抽象的な概念としてとどまって」おり、「死の間際までそっと近づいていき、崖っぷちから除きこまずにはいられな」いが、「それは、死の願望とはまったく異なるもの」だという説明は、ぼくには納得できるものだった。
どうしても観てしまいたかったM. ナイト・シャマランの新作「ハプニング」をレイトショーで。
まず断っておくと、ぼくにとってシャマランは新作を必ず映画館で観たい監督の一人。つまり、日本でも(最近は北米でも)劣勢のファンの一人。
シャマランの「サイン」はベスト50に入る映画だし、「アンブレイカブル」は何度も観なおしている。「ヴィレッジ」も忘れがたい。
シャマランが好きだというと白けた顔をする人には、「いったい映画に何を求めてるんだ。映画ってのはもともとケレン味いっぱいの娯楽だし、ハッタリと映画らしい醍醐味をこのレベルで融合できる監督は他にいない!」と反論する覚悟があったりなかったり。
というわけで、以下シャマラン派の感想であり、レビュー。
当然ネタバレ。
読む人は自己責任でどうぞ。
- 評価は2/5(星2つ)。不満があれこれあり、総合的にはシャマランファンのぼくでも擁護できない出来栄えだと思う。
- 今回ファンがいちばん驚くのは、シャマランといえば、のラストのドンデン返しがないことだろう。
が、これは一晩寝て考えてみると大きな失点にはならないかな。過程が楽しめさえすれば。 - 全体的にグロすぎる。シャマランの美学は寸止めの演出、やるならここぞというシーンでだけ、じゃなかったのか。
- 都市のシーンが多いせいもあるのか映像がうるさいし、シーンの切り替わりも多いせいか「雑」な印象を受ける。これでは、James Newton Howardのすばらしい音楽が活きない。後半音楽で盛り上げているシーンもあるが、無理やりという印象を受けた。
あふれる「静」とほんの少しの「動」、静かだが濃密な画面、それゆえの「映画を観ているぞー」というシャマラン映画特有の喜びがなく、今回かなり通俗的だと思った。 - クライマックス、「過度なCGやSFXに頼らずに現実からズレたシチュエーションをつくり、そこでの人間の絆の修復を描く」というシャマランらしいシチュエーション。これ、彼の映画には結構出てくるパターンだが、特に似ているのは「サイン」か。
今回も絆を深める3人はちゃんとした家族ではなく、Adoptedなのだが、この点も「サイン」と一緒だ。彼のこの組み立てには、なにか狙いやメッセージがあるんだろうか? それとも「典型的な家族」などとうに崩壊したアメリカ人の当たり前の姿? でもシャマランってインド系だから大家族なんじゃないの? とか。 - シャマランは瞳がきれいな女優を使う。というか彼の映画では人の目が活きる。
- 今回もシャマランのカメオ出演あり。ただしちょっと意外なかたち。
- 「ハプニング」は残念だった。彼はまだハリウッドで映画をつくれるのかなぁ。次回作も観たい。
原田眞人は、新作を必ず追いかける映画監督の一人。
この「クライマーズ・ハイ」では、宣伝でも原田眞人の作品であることはあっさりとしか謳われていないけど、ぼくは原田監督なので観に行った。
映画『クライマーズ・ハイ』公式サイト
http://climbershigh.gyao.jp/
で、この映画は面白い!
1985年の日本航空123便墜落事故をテーマにした映画で、同便が群馬の山中に落ちたことから、未曾有の大事件の取材に執念を燃やす地方紙の記者たちを描いたもの。
このような「緊張下にあるプロフェッショナルやビジネスパーソンたちの、異常にハイテンションでギスギスした群像劇」を描かせたら、この人以上に巧い人は日本にはいないんじゃないかと思う。群像を描きながら一人ひとりの個性がちゃんと描き分けられ立っているのも、原田作品ならではか。いわゆる「その他大勢」的キャラがほとんどおらず、全員が動いているのがすごい!
ほかにも原田映画が刺激的なのは、早口で聞き取りづらいうえに被りまくる台詞、自然体のようだが細部にリアリティがある演技、ドキュメンタリーのようなカメラワークなど、日本映画の主流のほとんど逆を行っているんじゃないかと思える点。
で、「飄々としていながらやるときにはやる若者」(中央のメディアと貧しい装備で戦う若手記者)、「頑張る女」(スクープに執念を燃やす女記者)、そして「俗物の化け物のようなラスボス的権力者」(今回は山崎勉が地方新聞の社主として登場)、「日本を捨てる日本人」、と、原田映画では定番っぽいキャラクターが今回も要所に配されている。
さらに「中央対周縁」「反権威・権力」「日本の旧制度への疑い」といった、キコク(帰国子女)っぽいアウトサイダー的価値観は今回もいろんな点に感じられて、そのへんもうれしかった。
残念ながらこの映画、メッセージ性よりエンターテイメント性が勝っているため後に何か残るような感じは薄いが、150分以上という長い映画ながら退屈は一度も感じなかった。
あー、原田映画の最高傑作「KAMIKAZE TAXI」を観なおしたくなった!
レイトショーの最終日に、「Genius Party (ジーニアス・パーティ)」観てきた。
作品は全部で7本。
Genius Party - ジーニアス・パーティ | 監督
http://www.genius-party.jp/about/director.html
キャッチコピー通り「制約は、ゼロ」だと、こんなことできるんだ! と驚いたのが、オープニング、福島敦子監督の「GENIUS PARTY」。
Wikipediaで知ったが、この人「AKIRA」や「魔女の宅急便」、そしてケン・イシイの「EXTRA」に原画で参加している人なんだ。この振幅とか、奥行きの深さってこの世界では普通なのかな? んなわけないよね。圧倒された。
Genius Party全監督インタビュー 福島敦子「Genius Party」
http://www.cr-www.com/feature/cr01/interview01.html
あと二村秀樹監督の「LIMIT CYCLE」。
Genius Party全監督インタビュー 二村秀樹「LIMIT CYCLE」
http://www.cr-www.com/feature/cr01/interview05.html
超現実的な(粗い描写だなぁ)、サイケデリックな(手垢の付いた表現だなぁ)映像、延々続くモノローグ。なるほど、言葉はパスカルの引用なのか。
一つ一つの意味を入り込んでくみ取ろうとしすぎない方がいいと思います。あんまりいい言い方じゃないんですが、わざと情報過多にして、そういう風刺にしてどこを見ていいかわからないようにしてるんです。だから、自分が必要としている要素だけ見つけてください。全体の中で、どこが一番自分の印象に残ったか、絵を見たくない人は、目をつぶって音だけ聞くような方法もあると思います。
ぼくはもろに「入り込んでくみ取ろう」としてしまった。で、一番グサッと刺さったのは「人間は精神であると同時に自動機械なのだ」という言葉。アニメの中でそんなこと言うなよ、とちょっとうろたえてしまったよ。もう一度観てみたい。
ジョン・クラカワーの忘れがたいルポルタージュ「荒野へ」(アメリカでは原著の"Into The Wild"はベストセラーになった)が、映画化されるらしい。
Apple - Trailers - Into The Wild
http://www.apple.com/trailers/paramount_vantage/intothewild/
【Trailer】Into the Wild 荒野へ
http://www.edita.jp/moviemap/one/moviemap66932014.html
メモです 【映画】ショーン・ペン監督作品
http://www.edita.jp/kimamemo/one/kimamemo19831292.html
おぉ、ショーン・ペンがプロデュースするんだ。
この本に強く惹かれる人間の多くはそうするだろうが、ぼくは今よりさらに未熟だった頃の自分をアラスカに消えたクリス・マッカンドレスに重ね合わせた。今でも、何か清冽なものに触れたいなと思ったときに読み返すことがある。
これは観たい。できれば一人で。
以下は「荒野へ」に言及されているブログ。
その日を摘め: 『荒野へ』 ジョン・クラカワー著(集英社)
http://hanamote.com/blog/archives/2005/05/post_31.html
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追記。しかもぼくの好きな女優のキャサリン・キーナーが出てるよ! こりゃ絶対に映画館&DVD購入だ。B'>
電気自動車を葬ったのは誰か?
|ワシントン通信 2.1~地方公務員から転身した国際公務員のblog
http://ameblo.jp/keicho/entry-10029460526.html
へー、こういう映画があるんだ。これは観たい。英語版しかないのか。
この映画の公式サイトが結構いい。
Sony Pictures Classics Presents : Who Killed the Electric Car?
http://www.sonyclassics.com/whokilledtheelectriccar/electric.html
以下、この映画に言及しているWebページ/ブログから印象的なものをクリップ。
Who killed the Electric Car
http://www.yorozubp.com/0611/061128.htm
電気自動車が出現した背景には、アメリカのカリフォルニア州の深刻な環境問題があった。特にアメリカの典型的な車社会であるロサンジェルスでは排気ガスによる大気汚染が社会問題化していた。
(...)
そんな環境が一変したのがブッシュ政権の誕生だった。電気自動車に対する熱気は失せ、カリフォルニアのくだんの州法も廃止されてしまった。
O.C. Kitchen: WHO KILLED THE ELECTRIC CAR?も見てきました。
http://ockitchen.seesaa.net/article/20655184.html
う~ん、いろいろあるけど、一番腹が立ったのはGMかな。
GMは、EV-1の普及に力を入れず、Hummer(あのどでかい車ですよ)を買収した直後に電気自動車EV-1の生産を中止。
その上、回収した電気自動車はリサイクルすらされることなくスクラップ。
アメリカで考えるデザイン Who Killed the Electric Car?
http://designusa.blog70.fc2.com/blog-entry-71.html
実はEV1の出現は自動車とその関連産業に大きなインパクトであったことが判る。そしてそのスキを日本のハイブリッド車が入り込んだということだ。
連休にもかかわらず、そのチョイ空き具合にどうしても豊洲の影響を心配しちゃう、そんな109シネマズ木場で映画を。
Daiさんの日記に背中を押され、これ。
父親たちの星条旗 | 硫黄島からの手紙
http://wwws.warnerbros.co.jp/iwojima-movies/
Flags of Our Fathers Movie - Official Site of Movie Directed by Clint Eastwood
http://www.flagsofourfathers.com/
しかしクリント・イーストウッドはまぁ、素晴らしい監督になったんだなぁ、と。
表現は乏しいけど、 円熟を遠く超えて、枯淡の域というか。じわじわと伝わる味わいは「ミリオンダラー・ベイビー」に通じるものがあった。
比べるのも失礼だとは思うけど、非日常的な体験をした後で戦時国債を集めるために偶像として祭り上げられ、ツアーに駆り出される3人の兵士は、立花隆が「宇宙からの帰還」で描いた、NASAの予算獲得のために振り回される宇宙飛行士たちの姿と同じだな、と思った。
意外にもこの映画の最後では、メッセージがストレートに伝えられた。
それをぼくは、「先人たちを敬え。それも闇雲にでなく、きちんと事実を踏まえたうえで」という風に解釈した。